なぜネクステや速読英単語など評価の高い参考書をやってるのに成績があがらないのか

 

個別指導塾で指導をしていると、指導している教科以外についても勉強の相談を受ける事が多いです。

 

勉強の相談を受ける場合に最も多いのが参考書に関する相談です。

 

参考書をひとたび選べば、何か月もつきあっていくので良い参考書を選ぶ事は重要な事です。

 

逆に言えば、参考書選びを間違えてしまえば何か月も無駄にしてしまう事になるんですよね。

 

そこで参考書選びについて詳しく説明していきたいと思います。

 

誰にでも効果のある「ベスト」な参考書はない

 

まず参考書について基本的な事からお伝えしたいと思います。

 

誰にでも最高の効果を発揮する「ベスト」な参考書は存在しません。

 

受験生は個々の実力に大きな差があります。

 

基礎から応用まですべてこなして、あとは受験校の出題傾向にそって問題演習をするだけの受験生もいます。

 

一方で、漢字や計算問題もおぼつかないような基礎力がまだ身についていない受験生もいます。

 

勉強には基礎から応用まで段階があり、それがどこまで出来るかというレベルもあります。

 

受験生それぞれが違う段階にいてどこまで出来るかというレベルも違うので、すべての受験生に対応した参考書は存在しません。

 

受験生は自分の勉強の段階とどこまで出来るかというレベルに合った参考書を選ばなければなりません。

 

 

でも「定番」の参考書があるのでは?

 

受験では「定番」と言われる参考書があります。

 

時代とともにある程度変わるのですがある程度決まっています。

 

例えば英語の「定番」参考書をあげてみます。

 

文法は「NextStage(通称『ネクステ』)」「Vintage」

 

長文解釈は「ビジュアル英文解釈」「入門英文解釈の技術70」

 

単語は「速読英単語 必修編」「英単語ターゲット1900」「システム英単語」「鉄緑会東大英単語熟語 鉄壁」

 

ここら辺の参考書は受験生なら一度は聞いた事がある参考書だと思います。

 

ここに挙げられた参考書をきちんとすべてやれば間違いなく実力が上がります。

 

しかし「定番」の参考書があるのに、どうして成績が上がらない人が大半なのでしょうか。

 

それには理由が2つあると思います。

 

自分のレベルに合ってない

 

先ほど言いましたが、参考書は自分がどの段階まで勉強が出来ているかにより、やるべき参考書は変わってきます。

 

上であげた「定番」参考書で言えば、「速読英単語 必修編」は長文解釈がある程度出来るレベルの人がやらなければ効果があまりないと思います。

 

 

「速読英単語 必修編」は収録されている文章を読むのは難易度がそれなりにあるので、長文解釈の基本が固まった上でやり始めないと、とても最後まで出来ません。

 

私は「速読英単語 必修編」を生徒にすすめるのは「ビジュアル英文解釈」「入門英文解釈の技術70」をやり終えたあとに進めています。

 

 

参考書をやる時はまず自分の勉強の段階とレベルに合った参考書を選ばなければ、「定番」と言われる参考書でも効果はあまりありません。

 

次に考えられる理由は、「定番」参考書を「使うべき時期」を間違っている、という事です。

 

参考書には「使うべき時期」がある

 

時間がある時期にコツコツやっていく参考書もあれば、一通りすべての勉強が終わった後に最後の確認として使うべき参考書もあれば、受験まで残り時間が少ない場合に短期間で弱点を補強したい参考書もあります。

 

 

時間がある時期にコツコツやっていく参考書

 

参考書のタイプとしては、考え方をきちんと身に着けた上で知識を定着させる事で暗記もする、教師や講師が「王道」と呼ぶ参考書です。

 

「王道」の参考書は、考え方を身につけるように参考書が出来ているため、時間をかけて脳に考え方を馴染ませていくのに向いています。

 

人間なかなか新しい考え方をみにつける事は出来ないので、短時間で効果を得るのは難しいです。

 

時間をかけて、コツコツと積み上げていく勉強があっています。

 

コツコツやるべき参考書を高3にやり始めると、最後まで終わらない事がほとんどなのでやる意味がありません。

 

「ビジュアル英文解釈」や「速読英単語 必修編」「鉄緑会東大英単語熟語 鉄壁」は時間がある時期にコツコツやっていく参考書です。

 

 

ここで挙げた参考書は、復習の仕方もきちんと参考書の中に組み込まれています。

 

そこで参考書をきちんとやるだけで参考書の内容が定着して、実力がつきやすい参考書です。

 

時間がある時期にコツコツやっていく参考書は、受験1年前(大学受験で言えば高校2年の3月まで)にやり終えるべき参考書です。

最後の確認として使うべき参考書

 

一方で一通りすべての勉強が終わった後に最後の確認として使うべき参考書は高校3年になってからやるべき参考書です。

 

上に挙げられた参考書で言えば、「NextStage(通称『ネクステ』)」「Vintage」などが一通りすべての勉強が終わった後に最後の確認として使うべき参考書です。

 

一通りすべての勉強が終わった後に最後の確認として使う参考書は、非常に網羅性が高くなんでも書いてあります。

 

それゆえ、最後にすべてのタイプの問題を塗りつぶす時には非常に効果的ですし、効率的だと思います。

 

しかし、何でも書いてあるがゆえに、一番重要な基本・原則が何なのかを理解するのには向いていません。

 

高校2年が終わるまでの時期に使うべき参考書ではないと思います。

 

 

勉強を全くしていなくても、受験までの時間がなくても効果が出る参考書

 

今まで参考書には「自分の勉強の段階に合わせる」「やるべき時期がある」と言ってきましたが、そうではない例外的な参考書があります。

 

誰にでも最高の効果のある「ベスト」な参考書はないと言ったじゃないか!と思う人もいるでしょうが、少しお待ちください。

 

勉強を始める時期が遅くて受験までどうしても時間が足りない場合や、模試を受けたら思わぬ分野で弱点が発覚した場合などに、弱点を短期間で補強するために使う参考書です。

 

上に挙げた参考書で言えば、「システム英単語」「英単語ターゲット1900」です。

 

ここで挙げた参考書の良い点は「どの段階の人でも使えるように設計されている」と言う事です。

 

つまり勉強をまったくしてこなかった人でも受験で使えるように設計されています。

 

部活や遊びで勉強全くやってなくて模試で偏差値40出しちゃった!どうしよう!!

 

という人がやる事で、とりあえず偏差値50~55までは上げる事が出来る参考書です。

 

勉強をほとんどしてなかった人にも使える上に、基本をきっちりと抑えている参考書なので手っ取り早く受験のための知識やノウハウを手に入れたい場合に役立つ参考書です。

 

このような参考書は「いかに短時間に必要な知識の詰め込むか」に焦点がむいているので、一定レベルまではすぐに行く事ができます。

 

しかしレベルが上がって「初見の問題を解くことが出来るか」といった思考力を問う問題が問われると、対応できない人が多いです。

 

受験まで時間がない場合の緊急措置としては必要ですが、レベルが上がるほど受験失敗のリスクが高まるので、講師としては出来ればこの方法はとりたくないというのが本音です。

 

具体的に言えば偏差値60を超えてくるとリスクが急激に高まってきます。

だから、誰にでも最高の効果のある「ベスト」な参考書とは言えません。

 

 

まとめ

 

参考書には「定番」と呼ばれる参考書はあります。

 

しかし、「定番」の参考書であろうと、自分の勉強の段階にあった参考書でないと効果は発揮しません。

 

また参考書は「使うべき時期」があります。

 

時間がかかる参考書を受験半年前から始めれば受験に間に合いません

 

最後の確認のため使うべき参考書を、高2までの学習段階で使えば、勉強はつらくなるだけなのに効果は期待出来ません。

 

そして例外的に、勉強を全くしてこなかった人でも使えるようになっている参考書はすぐに効果が出て一定レベルまではすぐ行ける参考書もあります。

 

しかしそのような参考書は初見の問題への対応を見てくるレベルの高い受験問題に対応へ課題を残します。

 

自分がどこまで勉強が進んでいるのか、受験までに使える時間から見て使うべき参考書は何なのか、自分の状況にもっとも合った参考書を選びましょう。

 

そうすれば、きっと「定評のある参考書」はその力を発揮してくれます。

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