高校受験の制度を知らないと中3の夏休みには不合格が決まる事も!?

 

いままで塾講師として高校受験をする生徒を多く持ってきました。

 

高校受験をする生徒を担当する時に強く感じるのは、保護者の方も生徒の方も、高校受験に関する基礎知識がそれほどない事です。

 

そのため、「いつ」「なにを」しないといけないかを正確に把握していない事があります。

 

特に(東京都の)公立高校入試は、中3の夏休みに入った時点で、すでに勝負がついてしまう事が多いです。

 

上位校を狙う場合は、中3の夏休みに入る時点で合格可能性が消えてしまう事もあります。

 

この記事を読んでいる方は「中3の夏休みでもうダメなの!?」と思う方もいるかもしれませんね。

 

中3の夏休みに公立高校受験がダメになってしまう理由を理解するためには、まず公立高校受験の制度について理解する必要があります。

 

そこで、この記事では、まず前提知識として公立高校受験の制度がどのようになっているのか基礎知識から説明していきたいと思います。

 

(この記事では、原則として東京都の公立高校の制度に基づいて説明していきます)

 

 

公立高校受験は入学試験の点が良いだけでは合格出来ない!

 

一般受験で公立高校受験をする場合、合否は「総合得点」で決まります。

 

「総合得点」は1000点満点で、「総合得点」が高い生徒から合格していきます。

 

「総合得点」ってなんだ?

 

公立高校入試では、「総合得点」がどれだけ高いかが重要だという事がわかったと思います。

 

では「総合得点」とはなんでしょうか。

 

「総合得点」=「学力検査得点」+「調査書点」

 

この「総合得点」(1000点満点)は「学力検査得点」(700点満点)と「調査書点」(300点満点)の足し算で出されます。

 

「学力検査得点」「調査書点」と見たことがない単語が出てきましたね。

 

心配しないでください。

 

あとできちんとわかりやすく説明します。

 

いまの段階ではおさえておくべき事は2つです。

 

 

・公立高校入試は1000点満点の「総合得点」の点数の高さで決まる。

 

・「総合得点」(1000点満点)=「学力検査得点」(700点満点)+「調査書点」(300点)

 

 

この2つだけです。

 

 

「学力検査得点」ってなんだ?

 

「総合得点」(1000点満点)=「学力検査得点」(700点満点)+「調査書点」(300点)の中の「学力検査得点」について説明したいと思います。

 

 

「学力検査得点」とは実際の高校入試の試験の点数を700点満点に換算したものです。

 

これだと少しわかりにくいと思うので、わかりやすく説明したいと思います。

 

受験生は2月の下旬に志望校で高校入試の試験を受けます。

 

英語・数学・国語・理科・社会の5教科で各100点の試験を受けます。

 

100点満点の試験を5教科受験するので、満点は500点ですよね。

 

この500点満点を700点満点に換算したものが「学力検査得点」になります。

 

700点満点に「換算」するのが面倒なのですが、これには公式があります。

 

「5教科で自分がとった点数」×1.4倍=「学力検査得点」になります(小数点以下は切捨て)。

 

たとえば、Aさんが入試において5教科で合計362点とったとしましょう。

 

その場合、362×1.4=506.8なので端数を切り捨てて506点が「学力検査点」になります。

 

「学力検査点」についてのまとめ

 

「学力検査点」(700点満点)=「入学試験の5教科の合計点」×1.4

 

「調査書点」ってなんだ?

 

「総合得点」(1000点満点)=「学力検査得点」(700点満点)+「調査書点」(300点満点)

 

でしたよね。

 

この中で「総合得点」と「学力検査点」については説明したので、残るは「調査書点」になりました。

「調査書点」は、内申書の点数を加工して、300満点に換算したものです。

 

 

ただ、「調査書点」は計算方式が少し複雑なので1つずつ説明していこうと思います。

 

調査書点の計算法

 

中学校では通知表に教科ごとに1~5で点数が書かれていると思います。

 

これが内申点と呼ばれるものです。

 

通知表には英語・数学・国語・理科・社会・美術・音楽・保健体育・技術家庭の9教科があります。

 

(9教科の内申をそのまま足したものを「素内申(すないしん)」と呼びます。)

 

まず、この9教科を主要5教科と実技4教科にわけます。

 

主要5教科=英語・数学・国語・理科・社会

 

実技4教科=美術・音楽・保健体育・技術家庭

 

次に、主要5教科の内申はそのまま足して、実技4教科の内申は足して2倍にした上で、それぞれを足します。

 

この主要5教科の内申と実技4教科の内申の2倍を足したものを「換算内申」と言います。

 

例えば、Aさんの内申が英語3・数学3・国語4・理科3・社会4・美術3・音楽3・保健体育4・技術家庭3だったとします。

 

主要5教科=3+3+4+3+4=14

 

実技4教科=( 3+3+4+3 )×2=26

 

換算内申=14+26=40

 

よってAさんの「換算内申」は40になります。

 

そして、「調査書点」=「換算内申」×300÷65です。(小数点以下は切り捨て)

 

Aさんは「換算内申」が40点なので、40×300÷65=184.61…となり小数点以下は切り捨てなので、「調査書点」=184点となります。

 

Aさんは「学力検査点」=506点、「調査書点」=184点なので「総合得点」=506点+184=690点になります。

 

 

「調査書点」の出し方のまとめ

 

 

・「換算内申」=「主要5教科の内申の合計」+「実技4教科の内申の合計×2

 

・「調査書点」(300点満点)=「換算内申」×300÷65

 

 

公立高校の受験制度の基礎知識のまとめ

 

・公立高校入試は1000点満点の「総合得点」の点数の高さで決まる。

 

・「総合得点」(1000点満点)=「学力検査得点」(700点満点)+「調査書点」(300点)

 

「学力検査点」(700点満点)=「入学試験の5教科の合計点」×1.4

 

「換算内申」=「主要5教科の内申の合計」+「実技4教科の内申の合計×2

 

・「調査書点」(300点満点)=「換算内申」×300÷65

 

 

公立高校受験の基礎知識を理解したら、次にどうすべきか

 

公立高校の受験の制度についての原則についてお伝えしました。

 

ここまでは、制度に対する前提知識です。

 

これは、どこでも公開されている知識をまとめただけのものにすぎません。

 

塾では、高校受験の基礎知識を前提として「では受験生はどうすべきか」という事を指導します。

 

この公立高校受験の制度に対して、「いつから」「どのように」勉強しなければいけないのかについて、次の記事で詳しく解説したいと思います。

 

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より高校受験について詳しく知りたい方は、高校受験案内に受験に関する資料があります。
受験用の資料は地図と同じです。

 

公立高校受験という長い旅に出るのに、地図をもっていかないのは自殺行為だと個人的には思います。

 

公立高校を受験するのであれば、高校受験案内を購入する事を強くオススメします。

 

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