「入試現代文へのアクセス 基本編」はどんな参考書?
「入試現代文へのアクセス 基本編」は、現代文の参考書の中で定番中の定番の参考書です。
現代文を大学受験で使う人が、最初に手に取る参考書として高評価を得ている参考書です。
「入試現代文のアクセス 基本編」を演習する事で、大学受験における現代文の問題を解くための基本を身につける事ができます。
高校1年生から受験生まで、これから現代文対策をしようとする人なら、レベルを問わず誰にでもオススメ出来る参考書です。
また、「入試問題のアクセス」シリーズは入門編のあとに発展編・完成編があるのですが、発展編・完成編では要約問題がついています。
早稲田や慶應で「要約問題」が課される学部を目指す方にとって、「入試問題のアクセス」シリーズで演習すると、入門編からの一貫した解説で要約問題を演習できるのも「入試問題のアクセス 入門編」を演習する隠れたメリットです。
現代文の勉強って必要なの?
受験生にとって「現代文」は後回しにしがちな教科です。
英語や数学などの教科を先にやろうと思う人がほとんどだと思います。
「現代文」という教科は、英語などと違い、問題文が日本語で書かれているので、問題文に何が書いてあるか何となく読めた気がしてしまいます。
だから「国語の現代文の勉強は後回しで良いか」と、受験生は危機感をあまり抱きません。
しかし、現代文に関して危機感を持たないまま何もせずに高校3年になると大変な事になっている事が多いです。
レベルの高い模試(全国統一記述模試など)を受けたり、志望大学の過去問を解いてみると全く国語の点数が出ない受験生が数多く出てきます。
現代文で点数が出る事があっても、「点数が安定しない」と悩む受験生がほとんどではないです。
そして現代文の成績を良くする・安定させるためにどう取り組むか、具体的な方法がわからない人がほとんどです。
「入試現代文へのアクセス 基本編」は、「現代文」という教科に対してどう取り組むかを1から教えてくれる参考書です。
大学入試の現代文に対してどう取り組むかについて、今回の記事で詳しくお伝えしたいと思います。
現代文は、きちんと勉強すれば高得点が安定する教科!
高校入試で出される「現代文」の問題と、大学入試の「現代文」には明確な違いがあります。
高校入試で出される「現代文」では、基本的に受験生に用語の知識や読み方を知らなくても読めるように問題が作られています。
また構成もシンプルなものが多く、全体構造の把握はしやすいので「筆者の主張」は理解しやすい問題が多いです。
もちろん、高校入試においても用語の知識や読み方を知っている方が高得点がとれるのですが、なくても問題を解けるようになっています。
高校入試の国語の問題はシンプルなので、能力が高ければ全体構造の把握は何も意識しなくても簡単で「筆者の主張」は理解しやすいです。
しかし、大学入試は違います。
大学入試の「現代文」においては用語の知識と読み方は知っている事は前提として問題は作られています。
また文章も長く複雑になり、文章の全体構造の把握をするのが一筋縄ではいかない文章が多くなってきます。
そこで、問題文に出てくる用語と読み方を知っている前提で、文章の全体構造を把握して「筆者の主張」を理解し、問題を解くことが、大学受験の「現代文」では問われています。
現代文の用語の知識や読み方、全体構造を把握する事による「筆者の主張」の理解、読み方を使った解法を知らずに大学受験で現代文を受験するのは、部屋の中で目隠しをしながら宝物を探すようなものです。
目隠ししたまま必死に手探りで宝物を探して、たまたま見つかる事もあれば、見つからない事もあります。(そして多くの場合、宝物は見つかりません。)
目隠ししたまま手探りで宝探しをしている状態が「現代文の点数が出ない。」「現代文の点数が安定しない。」という状態です。
そのような運任せで受験を受けて良いのでしょうか?
少なくとも私は、運任せで受験するのはやめた方が良いと思います。
「入試現代文へのアクセス 基本編」の何が良いか
そこでオススメするのが「入試現代文へのアクセス 基本編」です。
「入試現代文へのアクセス 基本編」の何が良いのかについて詳しく述べていきたいと思います。
現代文の用語についての解説が詳しい
大学入試では、大学における専門分野の入門的なレベルの文章が出題されます。
出題される問題文のレベルは高校入試に比べると格段に上がります。
そのため、日常会話では使わない用語を、知っている前提で問題が作られています。
大学受験の「現代文」では、受験生はまず、日常会話では使わない用語の難しさのせいで、文章の意味がわからなくなる、もしくは文章を曖昧にしか理解できなくなる事が多いです。
例えば、「近代」「自己同一性」「相対」といった用語は、大学受験の現代文を読む上では知っている事が当然の基本的な重要用語となります。
現代文の問題集の中には、基本的な重要用語について、深く解説をせずに脚注で意味を書いているだけの問題集も多いです。
しかし、「入試現代文へのアクセス 基本編」は違います。
「入試現代文へのアクセス 基本編」に出てくる問題文は難易度はそれほど高くありませんが、用語については現代文を読むうえで基本的な重要用語が出てきます。
「入試現代文へのアクセス 基本編」は、現代文を読むうえで基本的な重要用語について、問題文の後に詳しい説明を載せてくれています。
詳しい説明がきっちりと書かれている事で、問題文の中で出てくる基本的な重要用語が理解できるので、「用語がわからなくて問題文が読めない」という事はありません。
また基本的な重要用語について「入試現代文へのアクセス 基本編」を演習する中で自然に理解して頭の中にインプットする事ができます。
現代文の「読み方」を基礎からわかりやすく解説してくれる
受験に出る現代文には「読み方」があります。
しかも基本は3つしかありません。
・対比
・言い換え
・抽象・具体
この3つだけです。
「対比」「言い換え」「抽象・具体」は予備校や参考書によって言い方が変わる事があります。
「対比」は「対立」「二項対立」などと呼ばれたり、「言い換え」は「同値」と呼ばれたり「抽象・具体」は「具体例とまとめ」と呼ばれたりしますが、意味するところは同じです。
「対比」「言い換え」「抽象・具体」の3つの読み方を知らなかった人は要注意です。
現代文を読むための「読み方」を知らないので、今すぐにでも「入試現代文へのアクセス 入門編」を購入された方が良いと思います。
「入試現代文へのアクセス 基本編」は、「対比」「言い換え」「抽象・具体」とはどのようなものか、どのように使って問題を解くのかを説明している参考書となっています。
問題文の「全体構造の把握」がわかりやすく直感的にわかる
大学受験に出てくる文章は、文章の全体構造が複雑に組み合わさり、「筆者の主張」が読み取りにくい事が多いです。
「入試現代文のアクセス 基本編」では、段落ごとに何が書かれているのかをきちんとまとめられています。
そして「対比」「言い換え」「抽象・具体」を駆使しながら、全体構造がどのようになっているのか解説しています。
「入試現代文のアクセス 基本編」において特筆すべき事は、すべての設問において、文章の全体構造を図でまとめている事があげられます。
図でまとめられているので直感的に全体構造が理解できます。
そのおかげで、全体構造を理解しやすく、「筆者の主張」も一目でわかるようになっています。
問題の「解き方」を丁寧にわかりやすく解説してある
受験生が問題を解いているのを見ると、「問題を解く時は、下線部がひかれている前のあたりの文章を読めばいいんでしょ?」というレベルで止まっている人が多いです。
問題文を読むうえで基本的な重要単語、読み方を知り、全体構造の把握から「筆者の主張」を理解しても、それを使って問題を解けなくてはいけません。
解き方を詳しく記述せず、まるで魔法を使うかのように解答を出してくる参考書が世の中には多いです。
「ここにOOと書いてあるから選択肢アが正解」という解説は多くの参考書で見受けられます。
しかし解答の根拠となるOOの部分をどうやって見つけるかがわからなければ、解説されている問題の解き方は理解できても、他の問題を解く時には役に立ちません。
「入試現代文へのアクセス 基本編」は、基本的な重要単語や現代文の読み方を駆使して解答の出し方についても詳しく解説が行われています。
基本的な重要単語と現代文の読み方さえ理解していれば、「入試現代文へのアクセス 基本編」の解答を導くプロセスは、「なるほど、これを使ってこう解けば良かったのか。」と納得できるものになっています。
どのように問題を解くのかが根拠も書かれているので、他の問題にも応用がきく解説となっています。
だから、「入試現代文へのアクセス 入門編」の演習をして解説を読みこめば、他の問題を解くための「解き方」の力が上がっていきます。
「入試問題へのアクセス 入門編」の対象者
参考書は自分のレベルのあった参考書を適切な時期に演習する事で効果を発揮します。
そこで「入試現代文へのアクセス 基本編」は、どのようなレベルの人が、どのような時期に演習すれば良いかについて詳しく説明したいと思います。
前提となるレベル
・高校受験レベルの漢字をきちんと読める人
高校受験レベルまでの漢字をきちんと読める人なら誰でも読めるように作られています。
こう書くと「バカにするな!」という人もいるかもしれませんが、現代文の文章を読めない人がどこでつっかえているかを調べると、「漢字が読めない」という人は意外に多いです。
対象となるレベル
・受験で現代文を使う人
・「現代文」の解き方をしらない受験生
「現代文」の解き方を知らず偏差値40以上の受験生すべてが使える万能の参考書です。
「入試問題へのアクセス 入門編」をやるべき時期
・高1~高3の夏休み
「入試問題へのアクセス 基本編」は基礎固めで、その後にも他の参考書で演習を重ねないといけないので、高3の夏休みがタイムリミットです。
出来れば高3になるまでには終わらせておきたい参考書です。
「入試問題へのアクセス 基本編」を演習後に到達するレベル
「入試問題へのアクセス 基本編」を演習したからといって、偏差値にすぐに反映される事はあまりないと思います。
「入試問題へのアクセス 基本編」をする事でみについた基礎をもとに「入試問題へのアクセス 発展編」「入試問題へのアクセス 完成編」へ進む事で、偏差値60以上を安定する事が出来るようになります。
「入試問題へのアクセス 基本編」は、結果を出すための土台です。
違う言い方をすれば、教科書レベルから大学受験レベルに行くための架け橋です。
「入試現代文へのアクセス 基本編」の基本スペック
「入試現代文へのアクセス 基本編」は、いったいどれくらいのボリュームがあり、どのような内容になっているかについて、詳しくお伝えしたいと思います。
入試現代文へのアクセス 基本編」のページ数と全体構成
問題編 190P
別冊解答 69P
2冊構成で本体と別冊があります。本体が問題編で別冊が解答編となっています。
本体
例題 4問
最初の4問の例題は「対比」「言い換え」「抽象・具体」を学ぶための基本問題です
練習問題 12問
例題で学んだ「対比」「言い換え」「抽象・具体」を組み合わせて解く問題演習を繰り返していきます。
論説文:13問 小説:3問の割合で、小説の問題も収録されています。
読解へのアクセス(表)
「入試現代文へのアクセス 基本編」の本体の最後に「読解へのアクセス」という表があります。
「入試問題へのアクセス 基本編」ではこの記事で紹介した「対比」「言い換え」「抽象・具体」に加え、小説の読み方など全部で11の現代文の読み方が書かれています。
その11の読み方が16問ある問題の中で、どれをつかって読むかの表が本体の最後に「読解へのアクセス」として掲載されています。
問題を進めるごとに、11の読み方が何度も繰り返し出題されているのが表から確認できます。
復習する時に最後に掲載されている表を見て、自分が何を学んだかの確認などに使えます。
別冊解答
例題の解答・解説 4問分
練習問題の解答・解説 12問分
正解へのアクセス(表)
「入試問題へのアクセス 基本編」の別冊解答の最後に、「正解へのアクセス」という表が掲載されています。
「入試問題へのアクセス 基本編」の別冊解答では、各問題ごとにどのように問題を解くかという「正解へのアクセス」が掲載されています。
「入試問題へのアクセス 基本編」では18の「正解へのアクセス」が掲載されています。
その18ある「正解へのアクセス」を16問ある問題の中で、どれをつかって解いているのかの表が本体の最後に「読解へのアクセス」として掲載されています。
問題を進めるごとに、18の解き方を何度も繰り返し使って問題を解いているのが表から確認できます。
復習する時に最後に掲載されている表を見て、どのような解き方を使っているのかの確認などに使えます。
各問題ごとの構成
本体
問題文
↓
設問
↓
語句の意味:難しい用語に対する通常の脚注
↓
現代文のキーワード:現代文の基本的な重要用語の解説
↓
本文の解説:段落ごとの解説・全体の文章構造・全体の文章構造を図示
別冊解答
設問の解説:設問ごとに何を根拠にどう解くかを詳細に解説します
↓
正解へのアクセス:解くためのスキルのまとめ
↓
解答
↓
配点
「入試現代文へのアクセス 基本編」の使い方(簡易編)
1 まず問題文を読んで、設問を解く
2 語句の意味・現代文のキーワードの意味をおさえる
3 本文の解説を見て問題文の全体構造を確認し、自分のした読解が正しいか確認
4 解答のチェック
5 設問の解説を見て、解答の出し方が正しいものであったかチェック
6 しばらく間をおいて復習
「入試現代文へのアクセス 基本編」に書いてある事が一通り理解して使いこなす事が出来るようになれば、大学受験の現代文で安定した得点源にする基礎が出来上がる事になります。
高校に入学したら、出来るだけ早い段階で演習すべき参考書だと私は思います。