1「速読英単語 必修編」はどんな参考書?
「速読英単語 必修編」は大学受験で最も有名な単語帳の1つです。
大学受験をする人であれば、まず間違いなく名前は聞いた事がある有名な参考書です。
「速読英単語 必修編」を使う事で、大学入試のセンターレベル~G・MARCHレベルの英単語をマスターできます。
中高一貫の進学校で早い段階で高校レベルの英語を終了している段階の高校生にオススメです。
もしくは高校2年の4月までに英文読解で「ポレポレ」や「英文解釈の技術100」を終わらせているハイレベルな高校生にオススメの英単語帳です。
2 英単語をそのまま暗記するのってつらくない?
英語の勉強をする上で最も基礎的な事は、英単語を暗記する事です。
多くの英単語帳は、英単語と日本語訳(=英単語の日本語での意味)がワンセットになっています。
左側に英単語が書いてあり右側に日本語訳が書いてあり、右側の日本語訳の意味を隠して左側の英単語を見て、日本語訳を言っていく事で英単語を暗記していきます。
しかし、英単語と日本語訳をワンセットにした覚え方には欠点が3つあります。
1) 英単語と日本語訳をワンセットにした覚え方は忘れやすい
2) 英単語と日本語訳をワンセットにした暗記の仕方は、単純作業で継続して暗記するのは辛い作業になる
3) 英単語と日本語訳をワンセットで覚えても、長文を読めない事が多い
英単語と日本語訳をワンセットにした覚え方は忘れやすい
英単語と日本語訳をワンセットにした英単語の暗記は短期間で出来ます。
なので受験まで時間がない場合は英単語と日本語訳をワンセットにした英単語の暗記が良いです。
しかし、英単語と日本語訳をワンセットにしただけの暗記法はすぐに忘れてしまうという欠点があります。
人間の脳というのは、英単語と日本語訳をワンセットに暗記するような単純な記憶を長期に保持するように出来ていません。
なので、英単語と日本語訳をワンセットにした暗記は、単語帳を1度最後までやった後に最初からやり直すという作業を受験するまで何回もしなければいけません。
それこそ最初から最後までを通しで10週以上やるのも当たり前の世界です。
2) 英単語と日本語訳をワンセットにした暗記の仕方は、単純作業で継続して暗記するのは辛い作業になる
英単語と日本語訳をワンセットにした暗記の仕方は、工夫をしても単調なのでどうしてもつらい作業になります。
確かに音読や音声を使ったシャドウィングといった方法はあります。
しかし最初から最後までを何度も繰り返すので作業感が極めて強くなります。
3) 英単語と日本語訳をワンセットで覚えても、長文を読めない事が多い
大学受験の英語の問題は、長文問題の読解がメインになります。
長文問題を解くためには、まず英単語の意味がわからなければいけないので、受験生は英単語を暗記しなければなりません。
しかし、英単語と日本語訳をワンセットにして英単語の意味を暗記した後に長文問題を解こうとすると、意外にきちんと長文を読めない人が多いです。
なぜならば、英語の長文は英語独特の文章構成がされているので、英単語の意味を覚えただけでは長文の意味をきっちりと把握できないからです。
たしかに、現代文の読解力が高く、それを英語にも応用できるという器用な人もいるので「英単語と日本語訳をワンセットで暗記しただけで長文を読めるようになる」という事もありえます。
しかし、受験生の多くは英単語と日本語訳をワンセットで暗記した後に、英語の長文に慣れるために英語長文を数多く読むという事をしないと点数がでません。
そのため「英単語と日本語訳をワンセットで暗記する」という方法をした場合は、通常はその後に長文を数多く読みこなすという段階を踏まなければならず、作業量が多くなります。
私立大学のみを受験する場合は、受験科目数が少ないので問題はあまりないです。
しかし国立大学受験をする場合は、受験科目数が多いので作業量が多くなるのは避けたいところです。
3 「速読英単語 必修編」の何が良いのか
「速読英単語 必修編」はストーリーのある文章の中で英単語の意味を暗記していくので忘れにくいです。
また、ストーリーのある文章を読む事で英単語の意味を暗記していくので作業感が薄くなり英単語を暗記するのがそれほど辛くありません。
そして、長文をみながら英単語の意味を暗記していくので非常に長文慣れをする事も出来るので「速読英単語 必修編」で単語を暗記すれば、さらに長文慣れする事なしに過去問に進む事が可能です。
それぞれについて、詳しく説明していきたいと思います。
同じ事を違う側面から言うので、内容は繰り返しが多くなりますが、なぜ自分が「速読英単語 必修編」を使うかについては深く理解した方が良いと私は思うので、お付き合いいただけると嬉しいです。
英単語はストーリーのある文章の中で意味を把握すると記憶に残りやすい
英単語と日本語訳をワンセットで暗記する場合にすぐに意味を忘れてしまうのは、英単語と日本語訳をワンセットにしたものを暗記するような単純な暗記は、人間の脳は長期間記憶しにくいという性質を持っています。
しかし、ストーリーのある文脈の中で暗記をすると、人間の脳は長期的に記憶は保存されやすいという性質を持っています。
速読英単語では、ストーリーのある文脈の中で英単語の意味を暗記していくので、長期的な記憶に残りやすいというのが「速読英単語 必修編」の持つメリットです。
ストーリーの中で英単語の意味を覚えていくので作業感が少ない
英単語と日本語訳をワンセットで暗記する場合、作業感が強くメンタルにストレスがかかるという欠点があります。
英単語と日本語訳をワンセットで暗記するという単純作業を繰り返していくのは誰にとってもつらい作業だと思います。
「速読英単語 必修編」では、ストーリーのある文章を読むなかで英単語の意味を覚えていくという作業をしていきます。
また「速読英単語 必修編」に収録されている長文は内容も興味深い内容が多く、読んでいて面白いと思える文章ばかりです。
なので、「速読英単語 必修編」で英単語を暗記する場合、作業感があまりなくストレスをあまり感じる事なく英単語の意味を暗記していく事が出来る、というのが「速読英単語 必修編」の持つメリットです。
自然に長文に慣れる事が出来る
大学受験において英語の試験問題は長文問題がメインなので、英語の受験勉強をする場合の目標というのは基本的には長文問題を解く事になります。
しかし、単語と日本語の意味をワンセットで暗記しても英語の長文を読めない事は多いです。
英単語と日本語の意味をワンセットで暗記しても、それを長文の中にあてはめて意味を理解していくという作業が必要になるからです。
ですから英単語と日本語の意味をワンセットで暗記した場合、暗記した後に「長文を読み慣れる」という作業が必要になります。
「速読英単語 必修編」では、長文を読みながら英単語の意味を覚えていくので、「英単語の意味の暗記」と「長文を読み慣れる」という作業をいっぺんに行う事が出来ます。
なので英単語と日本語の意味をワンセットで暗記した場合と違い、「速読英単語 必修編」を最後までやり通せば、長文問題を解く基礎が既にみについている状態になっているというのが「速読英単語 必修編」の持つメリットです。
4 「速読英単語 必修編」の対象者
参考書は自分のレベルのあった参考書を適切な時期に演習する事で効果を発揮します。
そこで「入試現代文へのアクセス 基本編」は、どのようなレベルの人が、どのような時期に演習すれば良いかについて詳しく説明したいと思います。
前提となるレベル
・高校英語の文法と読解がすべて終わっている人
「速読英単語 必修編」は非常に評価の高い単語帳の一方で、受験生のほとんどが途中で投げ出す単語帳として悪名が高い参考書でもあります。
『「速読英単語 必修編」の何が良いのか』で書かれた「速読英単語 必修編」のメリットを見ると素晴らしい単語帳だと多くの人が思います。
私も「速読英単語 必修編」は素晴らしい単語帳だと思います。
しかし、受験生の多くが途中で投げ出すのもわかります。
それは収録されている文章が難しいからです。
「速読英単語 必修編」のむつかしさは3つあると思います。
これから暗記する単語が入っている文章を読むので、単語の意味がとれない
これは「速読英単語 必修編」の「ストーリーのある文章の中で英単語の意味を覚える」というコンセプトからすれば当然です。
そこで、「速読英単語 必修編」は見開きの左側に英語の文章、右側に日本語の全訳を載せています。
見開きの右側に日本語の全訳がついているので、英単語の意味がわからない場合は視線を右側にうつせば、意味がかいてあります。
なので、文章の中に意味のわからない単語があるから読みにくいという点については問題にならないと思います。
1文の長さが長い事です。
「速読英単語 必修編」に収録されている文章を見てみると、ピリオドからピリオドまで30語以上ある文章がバンバン入っています。
1文の長さが3行~4行になるというのは日常茶飯事です。
そこで英語の文章を慣れていない人が読むと、意味をきちんととれなくなり集中力がキレてしまうという事が起きます。
文章を読解するために必要な知識が非常にハイレベルな事にあります。
「速読英単語 必修編」に収録されている文章は、きっちりと文法的に読解をしようとすると、非常に難解な文章がいくつも出てきます。
例えば、熟語でconpare A with Bという熟語があります。
ここでAやBが短い場合は熟語が見分けやすいのですが、「速読英単語 必修編」ではAやBの部分が長いせいで熟語を見抜くのが困難な場合があります。
また、『挿入』と呼ばれるものは修飾関係を見抜くのが難しいのですが、『挿入』が入る事によって文章を精密に読解しようとするとハイレベルな知識が必要となる文章もいくつか入っています。
以上の3つの理由により、「速読英単語 必修編」は生半可な実力では、文章を読み通す事ができない単語帳となっています。
すべての文章を読み解くためには「最低でも」高校レベルの文法・読解を一通り終わっている事が必要です。
対象となるレベル
「速読英単語 必修編」の対象となるレベルはセンターレベル~GMARCHレベルまでとなります。
「速読英単語 必修編」に収録されている長文は実際に大学受験で使われた長文です。
収録されているのは、センタ―試験~GMARCHレベル以上になります。
「速読英単語 必修編」だけでも国公立大学や早慶上智・医学部の問題も読めるのでG・MARCHレベル「以上」としましたが、G・MARCHより上のレベルを狙うのであればワンランク上の単語帳もやるべきだと思います。
「速読英単語 必修編」をやるべき時期
・中高一貫校で高校レベルの英文法・読解を早い段階で終わらせている場合は高2の夏までに始めるべき
・中高一貫校でなくとも「ポレポレ」「「英文解釈の技術100」を一度終わらせている受験生は高2の夏までならやるべき
→高3の4月までに「速読英単語 必修編」は終わらせる
「速読英単語 必修編」は長文を読みながら英単語の意味を覚えていくという方法をとるので、基本的にはじっくりと時間をかけていく英単語帳です。
多くの人は部活や委員会活動などで忙しいでしょうから、時間を作ってコツコツとやっていくことになると思います。
高2の夏までには始め、高3の4月までに1周は終わらせましょう。
「速読英単語 必修編」を終わらせた後に到達するレベル
「速読英単語 必修編」をきちんと終わらせる事が出来れば、GMARCHの長文問題を読解できるレベルまで到達します。
高3の終わりにG・MARCHレベルの長文問題を読めるレベルになっていれば、受験の本番までに難関国公立・早慶上智・医学部のレベルまで余裕をもっていけるようになります。
「速読英単語 必修編」が終わった後にやるべき参考書
「速読英単語 必修編」が終わった後は、長文問題演習をしてみると良いと思います。
まずはセンターの過去問からやるのが良いと私は思っています。
次にする単語集としては「速読英単語 上級編」がオススメです。